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ウロリチンAとは?ザクロとの関係・体内でできる仕組み・個人差を解説

サプリメントの広告や健康情報で「ウロリチンA」という名前を見かけて、何の成分だろうと調べている方も多いのではないでしょうか。

ウロリチンAとは、ザクロなどに含まれるエラジタンニンやエラグ酸をもとに、腸内細菌のはたらきによって体内でつくられる成分(代謝物)です。ザクロの果実やジュースに、ウロリチンAがそのまま入っているわけではありません。

この記事では、2001年創業のザクロジュース専門店であるザクロ屋が、①体内でできる仕組み、②つくれる量の個人差、③研究の現在地と研究を読むときのポイントを、論文の直接リンクつきで整理します。

効果を約束するためではなく、分かっていることと分かっていないことを分けてお伝えするための記事です。

ウロリチンAとは:ザクロの中ではなく、体内でつくられる成分です

ウロリチンAは、腸内細菌によってつくられる代謝物と報告されています。流れを整理すると、エラジタンニン(食品中のポリフェノール)→エラグ酸→(腸内細菌による変換)→ウロリチン類、という関係です。

もとになるエラジタンニンは、ザクロのほか、クルミなどのナッツ類やベリー類にも含まれます。つまりザクロは、ウロリチンAの「もと」を含む代表的な食品のひとつです。

また、ウロリチンにはウロリチンAのほかに、ウロリチンBやイソウロリチンAなどの種類があると報告されています。

エラグ酸そのものについて詳しくは、エラグ酸とはで解説しています。

ザクロからウロリチンAができるまで:エラジタンニン・エラグ酸・腸内細菌の関係

ザクロなどに含まれるエラジタンニン・エラグ酸が、腸内細菌による変換を経てウロリチン類になる経路図

ザクロジュースを飲んだあと、体の中で実際にウロリチンAができているかを調べた研究があります。

2006年に発表された試験では、健康な18人がザクロジュースの濃縮液180mLを飲み、その後の血液と尿を調べました。エラグ酸は全員の血漿から検出され、ウロリチンAの抱合体(体内で変換された形)は、当日の尿で18人中11人、翌日の尿で18人中16人から検出されました。

一方、ウロリチンBの抱合体が検出されたのは当日3人・翌日5人と、ウロリチンAより少ない結果でした。

この試験は、成分がどのように吸収・代謝されるかを調べた薬物動態の研究です。健康への効果を調べた試験ではない、という点は押さえておきたいところです。

ウロリチンAをつくれる量には個人差があります:3つのタイプの報告

ウロリチン産生3タイプの報告レンジの図。タイプA(ウロリチンAのみ)は25〜80%、タイプB(Aに加えBなど)は10〜50%、タイプ0(ウロリチンが検出されない)は5〜25%。複数のヒト介入試験の報告による幅
単一の割合ではなく、複数のヒト介入試験で報告されたレンジです。

「自分もつくれるのか」が気になるところですが、つくれる量には個人差があることが報告されています。

2014年に発表された整理では、エラジタンニンやエラグ酸を含む食品を摂ったあとのウロリチン産生が、複数のヒト介入試験を通じて一貫して3つのタイプに分かれることが観察されています。

  • タイプA:ウロリチンA(抱合体)だけをつくる。試験により参加者の25〜80%
  • タイプB:ウロリチンAに加えて、イソウロリチンAやウロリチンBもつくる。同10〜50%
  • タイプ0:これらのウロリチンが検出されない。同5〜25%

この3タイプは、食品の種類(クルミなどのナッツ、いちご、ラズベリーなどのベリー類、ザクロ)や量、年齢、性別、BMI、健康状態にかかわらず観察されたと報告されています。

個人差は腸内細菌の違いに関係すると考えられています。ただし、タイプに優劣があるわけではありません。自分のタイプを調べる方法や変える方法も、この記事ではおすすめしません。

ウロリチンAの研究はどこまで進んでいる?細胞・動物とヒトの試験を分けて整理

ウロリチンA研究を段階別に読むための図。基礎研究(動物)はヒトの結果と分けて確認、初期のヒト試験(安全性・忍容性)は効果を調べる設計かを確認、ヒト介入試験(主要・副次評価項目)はどの指標で差が出たかを確認

先にお伝えしたい大前提があります。この節で紹介する試験は、すべてウロリチンAそのもの(サプリメント)を使ったものです。ザクロやザクロジュースを飲んだ試験ではありません。

そのうえで、代表的な研究を段階別に整理します。

発表年・掲載誌 対象 試験で使ったもの 主な結果 読むときの注意
2016年 Nature Medicine 線虫・げっ歯類(動物) ウロリチンA マイトファジー(ミトコンドリアの品質管理の仕組み)の誘導、線虫の寿命延長、げっ歯類の運動能力に関する報告 基礎研究であり、ヒトの結果ではない。著者に開発企業の関係者を含む
2019年 Nature Metabolism 健康な座位中心の高齢者 ウロリチンA(単回または4週間) ヒトで初めての試験。主要評価項目は安全性・忍容性で、良好と報告。筋肉のミトコンドリア関連遺伝子発現の変化は副次評価項目 開発企業が試験のスポンサー。効果を調べる設計の試験ではない
2022年 Cell Reports Medicine 40〜65歳・運動習慣のない過体重の成人88人 ウロリチンA 500mgまたは1,000mg/日を4か月 主要評価項目(ピークパワー出力)ではプラセボとの有意差なし。脚の筋力など一部の副次評価項目で改善の報告 著者の多くが開発企業の社員。改善した項目だけを取り出して読まない
2022年 JAMA Network Open 65〜90歳の成人66人 ウロリチンA 1,000mg/日を4か月 主要評価項目(6分間歩行距離・手の筋肉の最大ATP産生)ではプラセボとの有意な改善なし。筋持久力など一部の副次評価項目で改善の報告 著者に開発企業の関係者を含む
2025年 Nature Aging 健康な中年成人50人 ウロリチンA 1,000mg/日を4週間 免疫細胞(T細胞)の指標の変化を報告 小規模のパイロット試験と位置づけられている

表のとおり、2022年の2つのヒト試験はいずれも、事前に定めた主要評価項目(試験の主目的とする指標)ではプラセボとの有意な差が出ていません。改善が報告されたのは副次評価項目です。

また、ウロリチンAのヒト試験の多くには、素材の開発企業が資金提供や著者として関わっています。これらは試験の価値を否定するものではありませんが、結果を読むときに知っておきたい情報です。

ザクロジュース自体の研究の全体像は、ザクロジュースの効果でご紹介しています。

ウロリチンAの研究を読むときに確認したい5つのポイント

ニュースや広告でウロリチンAの情報を見かけたら、次の5点を確認すると、情報の強さを自分で見分けやすくなります。

  1. ポイント1:対象
    ヒトの試験か、動物・細胞の研究か
  2. ポイント2:使ったもの
    ウロリチンAそのもの(サプリメント)か、ザクロなどの食品か
  3. ポイント3:量と期間
    試験の用量・期間はどれくらいか。日常の食事と同列に語れる条件か
  4. ポイント4:評価項目
    主要評価項目の結果はどうだったか。改善したのは副次評価項目ではないか
  5. ポイント5:資金と利益相反
    誰が資金を出し、著者はどこに所属しているか

たとえばポイント4は、前の節で見たとおりです。2022年の2つのヒト試験は、主要評価項目では有意差が出ていません。「筋力が改善」という紹介だけを見ると、この事実を見落としてしまいます。

ポイント5について、開発企業の関与は「信頼できない」という意味ではありません。論文に開示された事実を確認する習慣が、情報の強さを見分ける助けになります。

ザクロジュースを飲むとウロリチンAはできる?研究が示している範囲

ここまでを踏まえて、いちばん気になる疑問に答えます。ザクロジュースを飲めば、ウロリチンAを摂ったことになるのでしょうか。

分かっているのは、次の範囲です。ザクロは、ウロリチンAのもとになるエラジタンニンやエラグ酸を含む食品のひとつです。そして、ザクロジュースを飲んだあとに尿からウロリチンAの抱合体が検出された、という報告があります。

一方で、つくられる量には個人差があり、検出されない人も報告されています。

前の節で紹介したヒト試験は、ウロリチンAそのものを1日500〜1,000mg摂取した条件の結果です。摂るもの・量・確実性が異なるため、その結果をザクロジュースへ当てはめることはできません。

逆に、「ザクロジュースでは意味がない」と言える根拠もありません。別の話として分けて考えるのが、いまの研究段階に合った読み方です。

ザクロ屋では、こうした「分かっていること・分かっていないこと」を分けて、誠実にお伝えする方針です。エラグ酸を多く含む食品はエラグ酸とはで、ザクロジュース自体の研究はザクロジュースの効果でご紹介しています。

成分を実測して公開しています:ザクロ屋の「ザクロのしずく」と九州大学との共同研究

ザクロのしずくの分析結果

最後に、この記事を書いているザクロ屋の立場をご紹介します。

ザクロ屋では、「ザクロのしずく」の成分を第三者機関で分析し、残留農薬不検出240項目とあわせてザクロのしずく分析結果で公開しています。

エラグ酸の測定値は、原液100ml当たり27mg(2025年12月4日分析)です。ワインと同様に、収穫時期により多少変動する数値として参考にしてください。

ここで、大切な注意があります。この実測値は原液中のエラグ酸の量を示すものであり、飲んだあとに体内でつくられるウロリチンAの量や、この記事で紹介した研究の結果を示すものではありません。

また、ザクロ屋は2023年春から、九州大学大学院農学研究院の片倉喜範教授との共同研究を行っています(ザクロの研究)。

共同研究は現在、培養細胞を用いた基礎研究の段階です。ウロリチンAを測定した研究や、人での効果を調べた研究ではないため、この記事で結果の紹介はしていません。

「ザクロのしずく」は、約50個分の農薬不使用ザクロ(イラン産)を搾った濃縮エキス(濃縮還元ではありません)です。効果を約束する言葉ではなく、実測と情報開示で選んでいただけるように、ザクロ屋の商品一覧でお待ちしています。

よくあるご質問

ウロリチンAはザクロやザクロジュースにそのまま含まれていますか?

いいえ。ザクロに含まれるのは、もとになるエラジタンニンやエラグ酸です。ウロリチンAは、腸内細菌のはたらきによって体内でつくられると報告されています。

ザクロを飲めば(食べれば)誰でもウロリチンAをつくれますか?

産生は3つのタイプに分かれ、検出されない人(試験により5〜25%)も報告されています。誰でも同じようにつくれるとは言えません。

ウロリチンAのサプリメントとザクロジュースは同じものですか?

別のものです。ヒト試験で使われているのはウロリチンAそのもので、その結果をザクロジュースへ当てはめることはできません。

ウロリチンAとエラグ酸はどう違いますか?

エラグ酸は食品に含まれる成分で、ウロリチンAはそれをもとに腸内細菌が体内でつくる代謝物です。エラグ酸について詳しくはエラグ酸とはをご覧ください。

ウロリチンAは何に効きますか?

効能を断定できる段階の情報ではありません。筋機能や免疫などをテーマにした研究が進んでいる段階で、主要評価項目で有意差が出ていない試験もあります。本文の「研究を読むときに確認したい5つのポイント」もご参考ください。

まとめ:ウロリチンAとは「体内でつくられる」成分:ザクロとの関係は誇張せずに

ウロリチンAとは、ザクロなどに含まれるエラジタンニンやエラグ酸をもとに、腸内細菌が体内でつくる代謝物です。つくれる量は3つのタイプに分かれ、検出されない人も報告されています。

ウロリチンAそのものを使ったヒト試験は進んでいますが、主要評価項目で有意な差が出ていない試験もあり、その結果をザクロジュースへ当てはめることはできません。効果を断定できる段階ではなく、研究が進んでいる段階の成分です。

ザクロ屋では、成分の実測公開と九州大学との共同研究を続けながら、分かっていることと分かっていないことを分けて、誠実にお伝えしていきます。

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出典・参考(クリックで開く)

この記事は、次の査読済み論文にもとづいて作成しています(いずれも2026年8月26日に内容を確認)。

最終更新 2026年8月28日


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