季節の養生レシピ |
五十嵐和恵先生 |
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梨のザクロ蒸し 〉
梨のザクロ蒸し
〈材料〉(2人分)
☆梨…2コ
☆氷砂糖…30g
☆ザクロのしずく…約大さじ2
☆はちみつ…お好みの量
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梨は上の部分を約1cmの厚みで切り、芯と種の部分をスプーンでくり抜く。
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くり抜いた部分に氷砂糖をつめ、ザクロのしずくを入れる。
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耐熱皿に梨を置き、蒸し器で蒸す。小さめの梨ならば約40分、大きめの梨ならば約50分。
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蒸しあがったら器に盛り、はちみつを入れたら完成。

ここがポイント!
※蒸したときに耐熱皿に残った汁も薬効があるので、捨てずに飲みましょう。
※はちみつは一歳未満には禁忌です。
10月の養生 ~ ゆったりとした心でくよくよしない ~
秋はセンチメンタルな季節
東洋医学では人間を自然の一部だと考えるので、季節によって影響を受けやすい臓器や起こりやすい症状もあれば、季節によって感じやすい感情もある、と考えられています。
秋と関係が深い感情は「憂い」や「悲しみ」。センチメンタルな気分になったり、物悲しい気分になったり、落ちこんだり。その感情が過ぎると、秋に弱まりやすい呼吸器に影響が出て、不調の原因になります。秋は気分が沈み過ぎないように、ゆったりとした心でくよくよしないことが大切です。
乾燥対策
先月号でお伝えした通り、空気が乾燥する秋冬は「潤い」がテーマ。肌がカサカサしたり、髪の毛がパサついたりするだけなく、乾燥した空気はのどを通って肺へ。せき・のどの痛み・鼻腔の渇き・喘息・風邪やインフルエンザなど、さまざまな不調につながります。白菜、れんこん、山芋、大根、梨、白ごま、松の実、くるみ、はちみつ、大豆製品そしてザクロなど、潤す働きのある食材を積極的に摂りましょう。
今回のアレンジレシピは、中国薬膳で喉の不調に効果があるデザートとして親しまれている蒸した梨「氷糖燉梨子(ヒョウトウトンリシ)」をご紹介いたします。
体の余分な熱を冷ます働きがある梨。内臓が冷えているタイプの私は生の梨が得意ではありません。でも、蒸したり、煮込んだりした梨は好き。加熱することで体の熱を冷ます働きが弱まるので、体は自ずと必要なものをわかっているのでしょう。材料の梨・氷砂糖・はちみつ・そしてザクロは、どれも呼吸器に潤いを与えて渇きをいやし、咳をとめて痰をなくす働きのある食材です。生の梨とはまたちがったおいしさ。蒸しあがったらぜひ温かいうちにお召し上がりください。
今月末はハロウィン。パーティーをする方もいらっしゃることでしょう。時間はかかりますが作り方は簡単なので、おもてなしのデザートにもおすすめです。